相続・贈与税

[特集] 相続・贈与税の注意点や得する方法

相続税と贈与税は基礎控除額が違います。相続税の課税逃れを避けるための仕組みです。
ただし、時期を分けるなどの調整で節税する事が可能です。
その他にも相続するまえに知っておくべきことは沢山あり、知らないと損をしてしまうかも!?

イザという時に備えて、相続の流れとポイントをチェックしておきましょう。

相続の流れやスケジュールはどうなっているの?

相続の流れ

人が死亡すると相続が始まりますが、相続の流れが分からないという方は多いのではないでしょうか。 この記事では相続の流れを説明します。

相続の開始

相続は人が死亡した時に始まります。

相続の流れ

1 死亡届の提出 人(被相続人)が死亡してから7日以内に提出します。
2 遺言書があるかを確認 ちなみに遺言書を勝手に開けてはいけません。
3 相続人の確認 相続人になれる人は法律で決められています。戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。
4 相続財産の調査 財産にはプラスの財産だけではなくマイナスの財産(借金など)も含まれます。
5 相続の放棄または限定承認 相続の開始から3ヶ月以内に行います。
6 準確定申告 被相続人に確定申告が必要だった場合、相続の開始から4ヶ月行います。
7 遺産分割協議書の作成 相続人で遺産の分割について話し合います。まずは法定相続人と法定相続分を把握しましょう。
8 相続税の申告・納付 相続の開始から10ヶ月以内に行います。
9 遺産の名義変更手続き 遺産分割協議書などに基づいて、不動産や預金などの名義変更をします。

以上が相続の流れになります。できれば事前に生前贈与などで相続対策をしておくと良いでしょう。

遺言書の種類、知ってますか?

遺言書の種類

遺言書はドラマでよく出てきますが、遺言書の種類を知っている方は少ないのではないでしょうか。遺言書は遺書と異なり、法律で定められた要件に従って作成します。この記事では遺言書中でも一般的な「自筆証書遺言」「公正証書遺言」を説明します。

遺言書は3種類ある

遺言書は3種類あります。
1 自筆証書遺言
2 公正証書遺言
3 秘密証書遺言
一般的なのは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」です。自筆証書遺言は手軽に作れる、公正証書遺言は公証人に作成してもらうのが特徴です。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は全文を自筆で書く形式です。いつでも作成できて、費用がかからないのがポイントです。しかし、無効になるケース時があります。無効になるケースとしてあげられるのは、字が読めない、形式が間違っている、作成時に認知症の疑いがあったなどです。また、死後に遺族に発見されないなどの可能性もあります。自筆証書遺言では、家庭裁判所の遺言書の偽造・変造を防止するための手続き「検認」が必要となります。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、全国にある公証役場で公証人と呼ばれる法律のプロに作成してもらう遺言書の事です。作成に手間、お金がかかりますが、法律のプロに作成を依頼するので遺言書の形式などで無効になることはありません。公正証書遺言は家庭裁判所の検認手続が不要であり、すぐに遺族が相続手続きを実行できるのが特徴です。

相続人は誰? 相続できる人、法定相続人は民法で決まっている

相続人は誰?

相続が発生した時に、自分は相続人なのか、誰が相続人なのかを知りたいですよね。相続できる人は民法で定められていて、法定相続人と呼びます。相続には優先順位があり、法定相続人が決定します。なお、配偶者は常に相続人に含まれるため、優先順位の対象外です。

配偶者は常に相続人に含まれるが、内縁の妻は対象外

相続の場合の配偶者とは婚姻届を提出した法律上の配偶者のことで、婚姻届のない「内縁の妻」などは配偶者に含まれません。

相続の優先順位

第1順位 子(孫)
子供が第1順位の相続人となります。しかし孫がいて子供が死亡している、また家庭裁判所の判断により相続権を取り上げられた場合などは、代襲相続といって、孫が相続人になります。

第2順位 父・母(祖父・祖母)
第1順位の相続人がいない、または全員相続の放棄をした場合、被相続人の父母、父母がいなければ祖父母が相続人になります。

第3順位 兄弟姉妹
第1順位、第2順位の相続人がいない、または全員相続の放棄をした場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹には代襲相続が認められていますので、兄弟姉妹が死亡している場合などはその子(被相続人の甥・姪)が相続人になります。

相続税がかかる財産と相続税がかからない財産がある 相続財産の調査方法

相続税がかかる財産と相続税がかからない財産がある

相続した財産すべてに相続税がかかるのでしょうか、実は相続税がかからない非課税財産があります。相続財産を調査する前に、相続税がかかる財産と相続税がかからない財産を知っておきましょう。

相続税がかかる財産

①本来の財産
被相続人の所有していた財産のうち、金銭に見積もることができる経済的価値があるもの全てを指します。 具体的には、土地、家屋、株式、預貯金、貴金属、自動車などです。

②みなし財産
法律的には被相続人から取得したものでなくても、実質的に相続または贈与によって取得したとみなされ、相続税の課税対象となるものがあります。 具体的には、生命保険金、退職手当金、生命保険に関する権利、定期金に関する権利、保証期間附定期金に関する権利などです。

相続税がかからない非課税財産

非課税財産とは、相続により取得した財産であっても、公共性や社会政策的見地、国民感情の面から、相続税の課税対象となっていないものを言います。 具体的にはお墓や仏壇、公共事業者が取得した公共事業用の財産、心身障害者救済制度に基づく給付金の受給権、相続人が取得した生命保険金、退職手当金の一定額です。また、相続財産を国や公共団体に寄付した場合も非課税となります。

土地や家屋の相続 どのように評価する?

土地(宅地)はどのように評価する?

相続で土地を取得することがありますが、評価の方法が分からないと相続税の計算も出来ずに困りますよね。土地の評価方法は「路線価方式」「倍率方式」のふたつがあります。路線価が付いている場所は路線価方式、路線価がついていない場所は倍率方式で評価します。路線価方式の場合、宅地評価額=路線価×土地の面積×補正率(画地調整)で求めます。

路線価方式の場合

宅地評価額=路線価×土地の面積×補正率(画地調整)
まず、路面価図を国税庁のホームページから確認します。相続する土地の地域を選択すると路線価図が出てきます。道路に数字と英語が書いてあります(丸で囲っているものもあります)。この数字が路線価で1平方メートルあたりの価格が千円単位で書かれています。例えば500Cと書かれていれば、1平方メートルあたりの価格は50万円になります。
そこから画地調整によって土地の評価額を調整します。角地であったり二方面に道路がある場合は評価が高くなり、道路から奥行きがある、間口が狭い、崖地などの場合は評価が低くなります。

倍率方式の場合

倍率方式による評価額=固定資産税評価額×倍率
路線価がついていない場所は倍率方式で評価します。固定資産税評価額は固定資産評価証明書で確認します。(都税事務所、市区役所又は町村役場で確認できます。)倍率は国税庁のホームページの「評価倍率表」で確認します。

家屋の評価方法

家屋の評価額=固定資産税評価額×倍率
現在倍率は1.0なので、家屋の評価=固定資産税評価額となります。

相続の方法は3種類 単純承認・相続放棄・限定承認

相続の方法は3種類

相続が発生した時に故人が借金まみれだった場合どうなるでしょうか。そういった場合、相続は放棄することが可能です。また、限定承認というプラスの財産の範囲内で債務を引き継ぐ方法もあります。
相続の方法は3種類あります。人が亡くなり相続が発生したら、3ヶ月以内に「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つから相続の方法を選択します。

単純承認

単純承認を選択した場合、故人の財産・借金をすべて相続します。 相続発生から3ヶ月以内にどれも選ばなかった場合は自動的に単純承認をしたことになります。 また、相続発生から3ヶ月以内に相続人が遺産を売却したり遺産を使ったりすると単純承認したとみなされます。

相続放棄

相続放棄を選択した場合、故人の財産・借金を一切相続しません。財産よりも借金のほうが明らかに多い場合などに相続を放棄することが出来ます。しかし、借金を放棄しプラスの財産だけを相続することは出来ないので注意が必要です。 また、相続放棄は相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

限定承認

限定承認ではプラスの財産の範囲内で債務を引き継ぎます。プラスとマイナスの財産のどちらが多いのかわからない場合に選択します。プラスの財産から借金などのマイナスの財産を引いて、プラスの財産が多ければマイナスを引いた分だけ相続ができます。逆に借金などマイナスの財産の方が多かった場合は借金返済の責任は負いません。
限定承認を選択した場合、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。また、相続人全員が限定承認を選択しなければなりません。

遺産分割はどうすればいい? 遺産分割協議って何?

遺産分割の方法

遺言書に書かれていない財産があったり、そもそも遺言書がない場合は遺産分割を行うことになります。遺産を分割する際、不動産は人が住んでいたりしたら簡単に遺産分割できませんよね。どうすれば良いのでしょうか。遺産分割には3種類の方法がありますので、いずれかの方法を選択することになります。

遺言書がある場合

遺言書にすべての財産について遺産分割の指定がある場合、遺言書に従って遺産分割を行います。しかし遺言書がある場合でも、相続人全員が遺言書の内容を無視して遺産協議分割をすると決めた場合は、遺言書の内容を無視して遺産協議分割をすることが出来ます。

遺産分割の方法

①現物分割
現状のまま、分割する方法です。例えば「Aさんが不動産を相続、Bさんが預貯金を相続する」などです。実行しやすいのが特徴ですが、不動産の価値と預貯金の額がかけ離れている場合など、不公平になってしまうことがあります。
②代償分割
不動産などを1人または複数人が取得して、その代わりに他の相続人に代償金を支払う方法です。 不動産などの遺産をそのまま残すことが出来ます。しかし代償金の支払いに大きな負担がかかるのがデメリットです。
③換価分割
不動産などを売却して、そのお金を相続人で分ける方法です。お金なので分割しやすいですし、不公平にならないのが特徴です。 しかし不動産を残したい場合は実行できません。

遺産分割協議

遺産分割協議は相続人全員が参加し、具体的に遺産を誰が引き継ぐのかを決めます。全員が参加しない遺産分割協議は無効となります。遺産分割協議がうまくいかない場合、家庭裁判所に「調停」を申し立てることが出来ます。調停委員に仲介してもらい、話し合いを続けます。それでもうまく以下ない場合は家庭裁判所の「審判」で裁判官が遺産の分け方を決めることになります。

遺産協議分割がまとまったら「遺産協議分割書」の作成を

遺産協議分割が終わって、すっきりするかと思いきや、後々相続人同士でトラブルになるケースが有ります。トラブルを防ぐためにも「遺産協議分割書」で合意内容を明確にして、書面にして保管しておきましょう。なお、「遺産協議分割書」は不動産などの名義変更や相続税の申告の際に必要となります。

遺言が全てではない 遺留分で相続が保証されている

遺留分によって相続人は一部の財産の取得を保証されている

亡くなった夫の遺言書に「愛人に全財産を相続する」と書いてあったらどうなるでしょうか。ドラマでありそうな展開ですが、遺留分によって財産の取得を保証されているので、財産の一部を取り返すことが出来ます。遺留分は相続人によって異なります。

遺留分は相続人によって異なる

遺留分は相続人の構成によって異なり、以下となります。

相続人→遺留分(各人の割合)

配偶者のみ→1/2
子のみ→1/2
両親のみ→1/3
兄弟姉妹のみ→なし
配偶者と子供→1/2 (配偶者1/4子供1/4)
配偶者と両親→1/2 (配偶者2/6両親1/6)
配偶者と兄弟姉妹→1/2 (配偶者1/2兄弟姉妹なし)

遺留分の計算方法は相続発生時と異なる

遺留分を計算する際の財産は相続発生時の財産とは異なり、以下となります。
遺留分算定の基礎となる財産=相続発生時の財産+相続開始1年前に贈与した財産-債務

相続税かかる・かからないの分岐点はどこ?

相続税がかかる人はわずか

相続税という言葉はテレビなどでもよく聞きます。自分も相続人になった時は相続税を支払うことになるのか、知っておきたいですよね。相続税は相続した人全員が支払っているわけではありません。相続税は基礎控除額を超えた場合のみ支払うことになります。
2013年に相続税を支払った人の割合は4.3%です。しかし2015年に相続税の基礎控除額が縮小されたので、課税する人の割合も増えることになります。

基礎控除額内なら相続税はかからない

基礎控除額は(3000万円+600万円×法定相続人数)という式で計算します。これは2015年の相続税法改正後の控除額です。複雑に見えますが、仕組みが分かれば簡単です。
法定相続人とは、相続人になれる人のことで、民法で決められています。配偶者は常に相続人に含まれ、子供がいる場合、法定相続人は子供と配偶者になります。

夫・妻・子供2人の4人家族で、夫が死亡した場合の基礎控除額

例で説明します。
夫・妻・子供2人の4人家族で、夫が死亡したとします。この場合の基礎控除額は4800万円になります。
法定相続人は妻と子供2人の合計3人になります。
基礎控除額は(3000万円+600万円×法定相続人数)で求めます。
法定相続人は3人なので 3000万円+600万円×3=4800万円 が基礎控除額になります。
相続税を支払う人が少ないというのもこの金額を見て納得できたのではないでしょうか。

相続税には配偶者控除がある

被相続人の配偶者の生活を考慮して、配偶者の相続税額を軽減する制度があります。 この制度により、1億6000万円、又は配偶者の法定相続分の額のいずれか大きい金額の範囲内であれば相続税がかかりません。 しかし、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象にならないので注意が必要です。

生前贈与による相続対策をしよう

最も身近な相続対策は生前贈与

生きているうちに相続対策をしておこうという方もいらっしゃると思います。最も身近な相続対策は生前贈与です。生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与して移転させることをいいます。

生前贈与で相続税対策

生前贈与とは、生きているうちに、配偶者・子・孫に財産を贈ることです。しかし一気に何百万円もの大金を贈与すると、贈与税がかかってしまいます。数年かけて、少しずつ贈与するほうが贈与税の基礎控除額があるので節税になります。贈与税の基礎控除額によって、年間110万円までの贈与には税金がかかりません。この110万円というのは受け取る側の額なので、配偶者、子、孫が1人ずついた場合は、1人年間110万円まで、合計で330万円を贈与することが出来ます。

定期贈与とみなされれば贈与税がかかるので注意が必要

贈与税の基礎控除額年間110万円以内であっても定期贈与とみなされた場合、贈与税がかかります。毎年110万円以内の贈与をする場合でも、定期贈与とみなされたくない人は、定期的に贈与する形を取らなければ良いのです。前もって毎年決まった額を同じ時期に贈与することなどは約束しないほうが良いでしょう。
例えば、親から毎年110万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合、基礎控除額内ですが贈与税がかかります。10年間にわたって毎年110万円ずつ贈与を受けることが、約束されているからです。この場合贈与を受けると約束した年に「1100万円」が贈与税の課税対象となります。

他にも「贈与税の配偶者控除」で2000万円まで贈与税を控除することが可能

他にも「贈与税の配偶者控除」という特例があります。贈与税の配偶者控除は要件を満たしていれば、2000万円まで贈与税を控除することが出来ます。
贈与税の配偶者控除の条件は以下になります。
・婚姻期間が満20年以上の配偶者からの贈与であること
・居住用不動産または居住用不動産を取得のための金銭の贈与であること
・取得した居住用不動産に贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住し、その後も引き続きの居住が見込まれること
また、同一の配偶者からの贈与についてに一生に一回しか適用できませんので注意して下さい。

   
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