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老後の地方移住|成功させるための基本知識

老後の地方移住は”天国”ってホント?

「自然いっぱいのところでのんびり生活できる」、「都会の喧騒から解放されて自由な暮らしができる」。
現在都市に住んでいる人の多くは、老後の地方(田舎)移住に対してこのようなプラスのイメージを持っているでしょう。

しかし、理想と現実にはギャップがあるものです。
実際、老後に地方移住をした多くの人が、Uターンという形で元住んでいた場所に戻ってくる、という実情があります。

近年は移住ブームと言われますが、そもそも老後に地方移住を希望する人の数は、決して多いとは言えません。
平成27年度に実施された「国土形成計画の推進に関する世論調査」では、「老後は別の地域へ移住したい」と回答した人は全体の19.1%となっています。
残りの約80%の人は、「現在の地域に住み続けたい」と回答しているのです。
(参考:内閣府・世論調査

ただ、実際に移住した人たちの中には、理想通りの生活を手に入れ、老後の地方移住を成功させた人がいるのも事実です。
成功させた人たちは、移住する前に、失敗の原因となる地方移住の落とし穴についてしっかり理解していた人たちなのです。
では、地方移住を考えている人に向けて、その落とし穴とは一体どのようなものなのかを見ていきます。

地方移住 5つの落とし穴

○村社会が根強い

地方には、昔からの近所付き合いや仲間意識が強く、排他的な雰囲気のある地域が少なくありません。
移住後は、こちらから積極的に、その地域・村に参画する姿勢を持つ必要があります。
「自分たちだけでやっていける!」と意地を張っていると、地域の行事や病気などの緊急時に、誰かに頼ることができなくなる可能性もあります。
環境・設備が充実していない地方で、快適に生活するには、「助け合い」が特に重要なポイントになるです。

○買い物・交通が不便

都市では、家を出ると数分のところにスーパーやコンビニがあります。大きな駅にも、徒歩や自転車で行ける環境です。
こうした交通の弁でも、地方では不便なところが多いです。場所によっては、車で30分以上かけなければ買い物ができないという地域もあります。
こうした、生活の利便性も、移住前にしっかりとチェックする必要があります。

○ガソリン代が高い

スーパーや駅が遠いということは、必然的に自動車のガソリン代が高くつくことになります。実際、「都市に住んでいた頃よりも交通にかかる費用が高くなった」、という人も少なくないようです。
山道が多い地域で道の舗装も充実していない場合は、自転車やバイクもほとんど使えない可能性もあります。

○病院が少ない

老後の地方移住に憧れる人が見落としがちなのが「病院」です。今は健康で体が元気な状態であっても、10年後、20年後には、体に何かしらの不調は必ず出てきます。
老後に病気やケガをした時に、自分で車を運転して病院に行くという行動は、かなり負担が大きくなります。
移住先を検討する際は、病院の有無や距離についても、しっかり確認するようにしましょう。

○家の質(古民家)

「コンクリートマンションのような無機質な建物じゃなく、木でできた趣のある古民家に住みたい!」と考える移住希望者は多いです。
確かに木造古民家の雰囲気は魅力的ですが、デメリットも理解しておく必要があります。

たとえば以下のようなデメリットが考えられます。

・気密性が低く冬は寒い
・虫や爬虫類が頻繁に出る
・住む前に修繕費がかかる
・地震や土砂崩れで倒壊する危険性

住む古民家の事情によっては、その他にもデメリットが考えられるため、事前にリサーチしておくことが重要です。

地方移住を成功させるコツ

これら5つの落とし穴を回避して地方移住を成功させるには、移住を決める前の下調べが非常に重要です。
自分で移住先の地域性や環境を調べるだけでなく、自治体や不動産にも積極的に相談しましょう。基本的には、無料で相談できます。
また自治体によっては、数日〜数週間の体験移住のようなシステムを設けている場合もあります。
その際、良いところだけでなく、悪いところ(注意点)もしっかり聞くことが大切です。
事前に不安を解消することができれば、理想と現実のギャップを減らすことができ、憧れの移住を成功に導くことができるはずです。

最終更新日 2019年03月29日 4160view
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