金融の豆知識

借金でお悩みの方へ!自己破産をする前にできる3つのこと

「借金の免責=自己破産」ではありません!

借金の返済で悩んでいる方にとって、「どうすれば借金を減額・免責できるのか?」は非常に関心のあるテーマだと思います。
借りた側の責任として返済することが一番ですが、病気やリストラなどのやむを得ない事情によりそれが叶わない人もいます。

借金を免責してもらえる仕組み(債務整理)としてもっとも知られているのは自己破産です。
しかし、実は他にも2つの方法があります。自己破産よりも自分にかかるデメリットが少ない方法です。

その前にまずは、自己破産の仕組みから説明します。

○自己破産とは

3つの債務整理のうち、自己破産は最後の手段です。
必要最低限の財産以外の財産、たとえば住宅や自動車など(20万円以上の財産)が没収される代わりに借金はすべて免責されます。
また次のようなデメリットがあります。

・職業の自由が制限される
・官報に載る
・借入制限

自己破産後は、弁護士・司法書士・宅地建物取引業者・警備員・風俗営業者・後見人といった仕事に就くことができません。
これは、一定期間社会的に信用を失っていることを表します。
官報とは国が発行する広報誌のことで、法律や破産・相続などの裁判内容が掲載されています。
新聞のように毎日発行されており、ここに自己破産者の名前や住所も載せられることになります。
自己破産はいわゆるお金に関する事故ですので、各金融機関が情報を共有する信用情報(ブラックリスト)と呼ばれるリストにその事故記録が残ります。
そのため、自己破産後の約7~8年はローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることがほぼ不可能に近い状態となります。

まずは弁護士に相談

「自己破産だ!」と自分で結論を下す前に、まずは弁護士に相談しましょう。

自己破産以外の債務整理方法は、「任意整理」と「個人再生」の2つです。
抱えている借金総額や、債務者の返済能力によってどの方法が取られるかが決められます。
しかし自分でこれらの判断をするのは容易ではありません。専門知識を持った弁護士や司法書士に相談することが、債務整理における初めのステップです。

近年、債務整理の相談は無料で受け付けている弁護士・司法書士事務所が多いです。
消費者金融からの借り入れで発生した過払い金請求に関する相談案件が増加したことが、大きな要因だと言われています。

自己破産以外の債務整理2つ

では、任意整理と個人再生について説明します。

○任意整理

任意整理は3つの債務整理の内もっとも初めに検討される方法です。
債務者本人、もしくはその代理人(弁護士など)が直接債権者と交渉をして、返済計画を見直します。
借金の額が減額されるわけではなく、債務者の年収や生活状況から月々の返済額が減額されたり、利息が減らされたりするものです。

○個人再生

個人再生は借金そのものが減額されることになります。
その他、任意整理との主な違いは3つです。

・直接交渉ではない
・裁判所を介して行われる
・官報に載る

任意整理では弁護士などの代理人が債権者と直接交渉をしますが、個人再生ではその間に裁判所が入ることになるので、間接的に交渉が行われることになります。
公的機関が介入するということは、“国として債務者の生活を保護しようとする方向に変わる”ということです。
また個人再生は自己破産同様、官報に載ります。

具体的な借金が減る額は、「総借入額の5分の1(住宅ローン除く)」もしくは「100万円」です。
100万円となる場合は「総借入額が100万円以上である場合」です。この額を3年で返済する計画が立てられます。

借金で失敗しないためにできること

借金をすること自体は悪いことではありません。
住宅や自動車のローン、クレジットカー払いなども細かく分ければれっきとした借金に該当します。

良くないのは、返済計画を立てないことです。 皆さんはスーパーやコンビニで物を買うとき、所持金を確認してから買うはずです。
それと同じで、自分が今どれだけ支払える能力があるかを冷静に確認してから利用することが大切なのです。

またどこから借りるかも大切です。 最近はいわゆる闇金・サラ金といった悪徳業者は少なくなりましたが、まだまだ存在します。
それらの金融業者からは法律で定められている以上の利息を取られます。
弁護士や警察に依頼することで後に取り戻すことはできる可能性はありますが、その手間とコスト、精神的な負担は決して軽いものではありません。

銀行・大手消費者金融を優先して検討し、賢く利用しましょう。

最終更新日 2017年03月10日 18366view
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