仕事の豆知識

意外と気づかない?間違いやすい二重敬語

ビジネスやプライベートで当然のように使っていませんか?

ビジネスの場において、敬語は必須のスキルです。ただ、間違った敬語を、日常的に当たり前のように使ってしまっている人は少なくありません。

中には、「間違った敬語を使ったせいで取引先や上司との関係が悪くなった経験がある…」という人もいるのではないでしょうか。
ここでは、特に間違いやすい『二重敬語』の例を紹介しながら、敬語を正しく使うメリットについても解説していきます。

間違いやすい二重敬語 3選

○ご覧になられる

敬語は一つの言葉に一つだけが基本です。『ご覧になられる』には、『ご』と『なられる』の2つの敬語が使われているので、二重敬語となります。正しくは、『ご覧になる』です。
他にも同じ理由で、「お帰りになられます」、「お召し上がりになられた。」なども間違いです。

○お伺いさせていただきます。

『伺う』は『聞く』の謙譲語、『させていただく』は『する』の謙譲語です。つまり2つの敬語が使われているので間違いとなります。正しくは「お伺いします。」です。
もっと丁寧に言いたい場合は、「伺いたく存じます。」と表現すればいいでしょう。

○各位様

メールなどで頻繁に使う『各位』ですが、より丁寧に表現しようとして『各位様』とする人がいますが、間違いです。
各位には『皆様』という敬称が含まれているので、様をつけることで二重敬語になってしまいます。
ちなみに『各位御中』も同様の理由で間違いです。

敬語を正しく使いこなすメリット3つ

①社内での人間関係が円滑になる

敬語はこちらが相手を敬っていることを示すための表現です。職場には、目上の人や他部署の人など、様々な立場の人がいます。
関係がまだ浅い人と話す場合、敬語を上手く使いこなすことができれば、良い印象を与えることができるはずです。
単に、明るくてコミュニケーション力が高いだけ、または、仕事ができるだけでは、相手から信頼を得たり、こちらの誠意を伝えたりすることはできません。

たとえば、先輩や上司、社長といった目上の人に対して二重敬語を使わず正しく話すことができれば、それだけでも「○○君(さん)と話していると気持ちがいいよ」と仕事上での高評価につながる場合もあるでしょう。

②取引先・顧客からの評価が上がる

顔なじみの取引先であれば、多少敬語が崩れても問題ないでしょう。
しかし、相手と顔を合わせたことがない場合や初めて電話で話す場合は、言葉遣いが第一印象の評価として重要な基準になります。

その根拠の1つが、心理学の理論である『メラビアンの法則』です。
人には相手を受け入れる前に『対人関係の壁』と呼ばれる4つの壁が存在すると言われます。
そのうちの第三の壁が『話し方・言葉遣い』です。表情や服装などの見た目(第一の壁)や態度(第二の壁)が好印象だったとしても、言葉遣いが雑で敬語が疎かな話し方だと、相手は気持ちをシャットダウンしてしまい受け入れる姿勢を失くしてしまうのです。

営業や接客業に従事する皆さんにとって第一印象は、特に意識して重視するべき点だと思います。

③プライベートでも役立つ

敬語を上手く使えれば、相手に敬う姿勢を伝えたり、会話を心地よく感じさせたりすることができます。
ですので、近所づきあいや友人づきあいといったプライベートなシーンでも、敬語を使いこなせることは非常に役立ちます。

さらに、自分に子どもができたときには、しっかりと正しい日本語を教えることができます。
たとえ厳しく教えるつもりがなくても、子どもは親の言葉遣いから言葉や表現を学ぶものです。親が二重敬語や間違った日本語を使わなければ、子どもも自然に正しい言葉遣いを習得していくはずです。

日本語の価値はますます上がっていく

日本語の敬語は今の時代だけ価値があるのではありません。むしろその価値はますます高まっていくでしょう。
経済、文化、交通、政治など様々な面でグローバル化が進んでいる昨今、日本語の魅力や価値を重視する外国人は増えています。
2020年に東京オリンピックが開催されることも、日本語を学ぶ外国人が増えている大きなきっかけの1つでしょう。
二重敬語をはじめとした間違った敬語に注意して、ここで紹介した3つのメリットを考えながら正しい敬語を意識して身に付ける習慣をつけましょう。

最終更新日 2018年01月17日 6617view
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